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第51回 日本脳神経看護学会学術集会
会長 杉本智波
医療法人重喜会 南福岡脳神経外科病院
看護部統括部長/医療教育部長
令和6年能登半島地震において、被災された方々にお見舞いを申し上げます。また、支援活動に尽力しておられる皆さまに心から敬意を表します。
この度「第51回日本脳神経看護学会学術集会」を 2024年9月23日 (月・祝)に、福岡国際会議場にて開催することとなりました。テーマを「Back to basics -Society 5.0の時代に脳神経看護の本質を考える― 」としまして、鋭意準備を進めております。
Society5.0とは、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、我が国が目指すべき未来社会の姿として内閣府が提唱しているものです。
Society 5.0の時代では、さまざまな人やものがインターネットとつながり知識や情報が共有され、ビッグデータとなり、そのデータをAIが解析し様々な形で私たちにフィードバックされます。それにより新たな価値を生み出すことができる社会を目指しています。医療分野においても、「健康寿命の延伸」を課題とし、個別化したヘルスケアにより、未病ケアを強化することが求められています。
このような時代にあって、脳神経看護もAIと融合し発展していく必要があります。
様々なガイドラインが示され、ケアの指針となり、標準化が進んでいますが、臨床では、同じ障害部位、同じ年齢の患者に、同じケアを届けても反応も違えば、効果も違うということがしばしば起こります。それは、私たちが対象とする「脳」は「その人らしさの源」であり全人的ケアが必須であることを示しています。
そこで今回の学会では、人が人をケアするという看護の原点に立ち返り、その原点を忘れず科学と融合することで、脳神経看護に関わる皆様が、明日からの実践を再考できることを目標にプログラムを構成いたしました。そして、何より久しぶりの現地開催で仲間と顔を合わせ、共に過ごす時間の中で、脳神経看護の魅力を再認識する時間になることを心から願っております。